小説 大航海時代オンライン サルベージャー
大航海時代オンライン能登鯖で遊んでるコーキです。 これまでの内容はこちらを参照! http://ameblo.jp/tokusya2ka/ よろしくです<(_ _)>
第32回 別離
「さて、そなたはどうする?」
まさに氷の微笑と呼ぶにふさわしい表情で俺を見るひよこさん。
いや、クイーン・ノア。
「さあな…。だが、ひよこさんが殺されたのなら、俺はその罪を償わなくてはならん。それに、この船は俺の船なんでな。最後まで、最後まで見届ける!」
最後は自分に言い聞かせるように言い放つ。が、内心どうなるのか不安でたまらん。
だけど、このままひよこさんも船も見捨てるわけにはいかん。…たとえ、命と引き換えになっても…な。
「くすっ…。人間とは、いつの世も変わらぬものか…。ならば、そなたにふさわしい趣向で死を届けてやろうか…」
冷ややかに、それだけ言うと、両手を前に出す。そして両の手のひらに淡い光が3つほど灯る。
その光が意思を持つようにひよこさんの手を離れ、船員の骸の中へそれぞれ入っていく。
男の船員に2つ、女の船員に1つ。
いったい何が起こるんだ?まあ、神のすることだから、俺には想像もできんことだろうが…。
だが、次の瞬間、俺は最悪なもの見ることになる。
光が船員たちの体を包み込み、やがて姿を変え、ゆっくりと立ち上がる。
それは、俺がよく知っている人間の姿に変わって…。
「ば、ばかな…。お、お前たちは死んだはずだ、なんで、なんで…」
俺の目の前に現れた人間は、かつて俺とヤクモが倒したミノス、ジェニーローズとみぃみが倒したブラッディ・ローズ、そして、断頭のアルベルトだった…。
はっきり言っておくが、俺はこの3人に一人で勝ったことなど一度もない。
「楽しかろう?この者たちは、どうやらお前に深い恨みを抱きながら、魂の存在となり、我が僕と生まれ変わった…。その者たちの恨みを一身に受けながら朽ち果てるがよい…。
クイーンが好き勝手なことを言ってやがる。だが、俺は、この3人相手ではおそらく生きては帰れん。すまん、ヤクモ。この事を伝えられそうにないが、この事件をどうかハインツ達には知らせてくれ…。もっとも、あいつらでもどうにかできるのかわからんが…。シャル…ヤクモと幸せにな…。セシリーさん、一度くらい告白しとけばよかったよ、振られるとわかっていても…な。ジェニーさん、一番頼りになるのはジェニーさんだから、みんなを守ってくれ…。ROADSTER…はどうでもいいが、アイリーン、あんたの不運が移っちまったようだ…。それから、今まで知り合ったみんな、空の上から見守るぞ…。
…
いかん、いかん、何ネガティブなことを考えているんだ、俺は!…勝てないなら、逃げて逃げて、生き延びて、次の手を打つのもひとつじゃないか!かっこつけて死ぬのは、俺のキャラじゃない、うん。
すまん、ブルーアドベンチャー。お前を見捨てるかもしれん、許せ。それから、ひよこさん…どうすればいい?本当に…死んだのか?
そんなセンチなことを考えている最中に
「クイーン。どうか、この者の始末、私一人にさせてもらえないでしょうか?」
騎士の礼をとりながら、クイーンに懇願するアルベルト。お前、そんなに俺が憎いのか?しかも、ほかの二人もだまってないだろうと思いきや…。
「いいんじゃないか、クイーン。俺は、あのノッポをぶち殺せればいいや」
「あたいは、ジェニーローズと、あのみぃみとか言う小娘がターゲットだしね」
「ふん。ならば、問題はない。アルベルト、好きにしなさい…」
クイーンの許可がでたとたん、アルベルトは本性を現したように悪魔のような笑みを浮かべる。
剣を一振り選び、俺の前に対峙する。やれやれ、俺に選択肢はないらしい。
俺もデュランダルを構えなおす。アルベルトと、その向こうのクイーンを見据えながら…。
すまん、ひよこさん…もし、救うことができたとしても、今は生き残ることを考えさせてもらう。
「…いくぞ」
アルベルトがつぶやくように言うやいなや、まさに目にも止まらんような速さで斬りこんでくる。後に大げさなほど飛んで、余裕を持ってかわしたつもりが、切っ先が俺をかすめていた…。
生前のアルベルトですら、こんなに速くはなかったぞ…。
だが、アルベルトの姿は少々異形になっていた。どうみても、左腕が折れているのである。
「…ん?ふっ、どうやら体が速さに追いつけなかったか…。ま、人間の体なんざ、もろいものだがな…」
この言葉を聴いた俺は心底恐怖を感じた。…こいつ痛みを感じてない…。だから、人間の体の能力を100%発揮できるんだ…。
通常人間は火事場のバカ力でもでないかぎりは30%くらいの力にセーブしてるらしい。なぜか?体のほうが悲鳴をあげるからだ。つまり、100%の力を出すということは代償として、体が壊れてもおかしくないのだ。今のアルベルトのように…。しかし、痛みを感じないなら、壊れるリスクを考えても力いっぱい戦える。こんな恐ろしいことはない…。
だが、休んでる暇は与えちゃくれない…。次の一撃が俺を襲う。ただし、今度は右手一本だ。避けられそうにないが、今度は受けきれる…。
そんな俺の目論見をあざ笑うかのごとく、受けたデュランダルごと吹き飛ばされる。そして…
マストにたたきつけられた俺が見たものは、折れたデュランダルと絶望だった…。
こりゃ、まじでみんなと…お別れかもしれない…
つづく
まさに氷の微笑と呼ぶにふさわしい表情で俺を見るひよこさん。
いや、クイーン・ノア。
「さあな…。だが、ひよこさんが殺されたのなら、俺はその罪を償わなくてはならん。それに、この船は俺の船なんでな。最後まで、最後まで見届ける!」
最後は自分に言い聞かせるように言い放つ。が、内心どうなるのか不安でたまらん。
だけど、このままひよこさんも船も見捨てるわけにはいかん。…たとえ、命と引き換えになっても…な。
「くすっ…。人間とは、いつの世も変わらぬものか…。ならば、そなたにふさわしい趣向で死を届けてやろうか…」
冷ややかに、それだけ言うと、両手を前に出す。そして両の手のひらに淡い光が3つほど灯る。
その光が意思を持つようにひよこさんの手を離れ、船員の骸の中へそれぞれ入っていく。
男の船員に2つ、女の船員に1つ。
いったい何が起こるんだ?まあ、神のすることだから、俺には想像もできんことだろうが…。
だが、次の瞬間、俺は最悪なもの見ることになる。
光が船員たちの体を包み込み、やがて姿を変え、ゆっくりと立ち上がる。
それは、俺がよく知っている人間の姿に変わって…。
「ば、ばかな…。お、お前たちは死んだはずだ、なんで、なんで…」
俺の目の前に現れた人間は、かつて俺とヤクモが倒したミノス、ジェニーローズとみぃみが倒したブラッディ・ローズ、そして、断頭のアルベルトだった…。
はっきり言っておくが、俺はこの3人に一人で勝ったことなど一度もない。
「楽しかろう?この者たちは、どうやらお前に深い恨みを抱きながら、魂の存在となり、我が僕と生まれ変わった…。その者たちの恨みを一身に受けながら朽ち果てるがよい…。
クイーンが好き勝手なことを言ってやがる。だが、俺は、この3人相手ではおそらく生きては帰れん。すまん、ヤクモ。この事を伝えられそうにないが、この事件をどうかハインツ達には知らせてくれ…。もっとも、あいつらでもどうにかできるのかわからんが…。シャル…ヤクモと幸せにな…。セシリーさん、一度くらい告白しとけばよかったよ、振られるとわかっていても…な。ジェニーさん、一番頼りになるのはジェニーさんだから、みんなを守ってくれ…。ROADSTER…はどうでもいいが、アイリーン、あんたの不運が移っちまったようだ…。それから、今まで知り合ったみんな、空の上から見守るぞ…。
…
いかん、いかん、何ネガティブなことを考えているんだ、俺は!…勝てないなら、逃げて逃げて、生き延びて、次の手を打つのもひとつじゃないか!かっこつけて死ぬのは、俺のキャラじゃない、うん。
すまん、ブルーアドベンチャー。お前を見捨てるかもしれん、許せ。それから、ひよこさん…どうすればいい?本当に…死んだのか?
そんなセンチなことを考えている最中に
「クイーン。どうか、この者の始末、私一人にさせてもらえないでしょうか?」
騎士の礼をとりながら、クイーンに懇願するアルベルト。お前、そんなに俺が憎いのか?しかも、ほかの二人もだまってないだろうと思いきや…。
「いいんじゃないか、クイーン。俺は、あのノッポをぶち殺せればいいや」
「あたいは、ジェニーローズと、あのみぃみとか言う小娘がターゲットだしね」
「ふん。ならば、問題はない。アルベルト、好きにしなさい…」
クイーンの許可がでたとたん、アルベルトは本性を現したように悪魔のような笑みを浮かべる。
剣を一振り選び、俺の前に対峙する。やれやれ、俺に選択肢はないらしい。
俺もデュランダルを構えなおす。アルベルトと、その向こうのクイーンを見据えながら…。
すまん、ひよこさん…もし、救うことができたとしても、今は生き残ることを考えさせてもらう。
「…いくぞ」
アルベルトがつぶやくように言うやいなや、まさに目にも止まらんような速さで斬りこんでくる。後に大げさなほど飛んで、余裕を持ってかわしたつもりが、切っ先が俺をかすめていた…。
生前のアルベルトですら、こんなに速くはなかったぞ…。
だが、アルベルトの姿は少々異形になっていた。どうみても、左腕が折れているのである。
「…ん?ふっ、どうやら体が速さに追いつけなかったか…。ま、人間の体なんざ、もろいものだがな…」
この言葉を聴いた俺は心底恐怖を感じた。…こいつ痛みを感じてない…。だから、人間の体の能力を100%発揮できるんだ…。
通常人間は火事場のバカ力でもでないかぎりは30%くらいの力にセーブしてるらしい。なぜか?体のほうが悲鳴をあげるからだ。つまり、100%の力を出すということは代償として、体が壊れてもおかしくないのだ。今のアルベルトのように…。しかし、痛みを感じないなら、壊れるリスクを考えても力いっぱい戦える。こんな恐ろしいことはない…。
だが、休んでる暇は与えちゃくれない…。次の一撃が俺を襲う。ただし、今度は右手一本だ。避けられそうにないが、今度は受けきれる…。
そんな俺の目論見をあざ笑うかのごとく、受けたデュランダルごと吹き飛ばされる。そして…
マストにたたきつけられた俺が見たものは、折れたデュランダルと絶望だった…。
こりゃ、まじでみんなと…お別れかもしれない…
つづく
第31回 降臨、クイーン・ノア
俺たちはみんな息を呑んで様子を見ているしかなかった。
光がひよこさんを包んでいく…。
そして…
ひよこさんの服がはじけ飛ぶように、引き裂かれていく。
同時にひよこさんの手足を始め、身体全体がすらりと伸びていく。
さらに、胸が、胸が、巨乳になっていく〜!!
そのうえ、お尻の丸みも増したような…。
つまりである、光につつまれて、まだシルエットしかわからないが、
いあゆる、俗に言う、つまりだ、その…、認めたくないが、
すばらしいプロポーション、ナイスバディと化したのだ!
そして、光が弱くなっていき、その姿が現れる。
だが、出るとこは出て、引っ込む所は引っ込んで、ナイスバディになっただけじゃない。
まるで、そう神々しい雰囲気を纏い、その姿を直視するのは罪のように感じられた。
そんな、ばかな!相手はひよこさんだぞ!
貧乳のお子ちゃま体型のひよこさんなんだぞ!
何度も自分に言い聞かせても、目の前にある美しい肢体を直視することはできなかった。
もちろん顔も大人っぽくなり、すべてが美しいとしか言いようがなかった。
そのひよこさんが、ようやく口を開く。
「…永かった…。我が眠ってる間にすっかり変わってしまったようだな。」
その声すらも美しく、精神の弱いものならそれだけで虜になるかもしれない。
やっと、皆の様子を確認する余裕ができ、見渡してみると…、
全員がなんとも表現しがたい、狐に包まれたような表情をしている。
うんうん、気持ちはわかるぞ!
そして、ひよこさんが俺のほうを見る。
「そなた…。もしやノア、ノアなのか?…いや、違う、遠い異世界のノアの子…か」
一瞬、高揚したような感じになったが、それはすぐ落胆の声に変わった。
そして、俺がようやく声を出す。
「お前は誰だ?ひよこさんをどうした?」
そう、目の前のひよこさんの変身体からは、ひよこさんを感じないのだ。
そして、それは残酷な答えとなって返ってきた。
「我か?…そうだな…我は、そなたたちが神と呼ぶ存在…とでも言おうか。
ふむ、そういえば、そなたたちに存在を知らせるには、…そう名前なるものが必要だったな。
では、我はたった今より、この世界を支配するもの、クイーン、そうクイーン・ノアと呼ぶがよい。
それから、そのひよこさんとかいう、この器には、その者はもういない。我が…」
ここまで言うと、見る者を凍らせそうな笑顔を見せて
「殺した…」
「うわぁぁぁぁぁあああ!!」
叫びながら、剣を振りかざし、ひよこさんに突っ込むセシリーさん。しかし…
ひよこさんに近づく前に弾き飛ばされる。
「…ふん。人間ごときが我を襲うなど、笑止!」
だが、その表情には少し苦悶の感情が表れる。
「くっ…。この器は、半分であったか…」
そう言うやいなや、身体中が再び輝きだし、ひよこさんが宙に浮いてそのまま船の外へと
飛び出していった。
あっけにとられる俺たち…。
「…残念だが、箱の中にはもう何もないね」
こんな事態の中ROADSTERが能天気にしゃべる。
だが、その一言で全員が我に返る。
「いかん!みんな、ひよこさんを追うぞ!!」
そうだよ、あの状態のひよこさんが外にでたら、いったいどうなるか?
それに、俺を見てノアと言った、その意味は?
さらに、本当にひよこさんは殺されたのか?
知りたいことは山のようにある。
だから、今はひよこさんを追って俺たちは箱舟の外へと出た。
アルベルトの亡骸を船に残して…。
船の外には俺たちのブルーアドベンチャー号が傍で停泊しているはずだった。
俺たち(アイリーンとROADSTERも)はブルーアドベンチャーに乗り込むと、
そこで見たものは、まさに地獄絵図だった…。
おそらく精神が弱かったであろう者たちは、クイーンの僕のごとくひれ伏して命令を待っていた。
そして、クイーンに惑わされなかったであろう者たちは…全員惨殺されていた。
「ばかな…」
俺はこの光景を信じたくなかった…。
昨日まで、俺やひよこさんとわいわいしゃべって、何度も生死を共にし、
仲間の死にいっしょに泣いてきた船員たちが、ほんの、ほんの一瞬で全滅したのだ。
「なぜだ〜〜〜!!なんで、ひよこさんがこんなことができるんだ〜〜〜!!」
俺は叫んでいた。
悲しいとか、悔しいとか、恨みとか、そんな言葉では表現できない、
自分の魂の底の底からの叫びだった。そして、再び叫ぶ。
「生き残ったものは全員退船しろっ!今すぐだ!!」
「コーキ!、俺たちは残るっすよ!」
ヤクモの返答に俺は、
「だめだ!全員、今すぐ退船しろっ!これ以上の犠牲は出せん!これは命令だ!」
そして、みんながしぶしぶ船を降りる中、俺はヤクモに向かって小さく呟く。
「ヤクモ、後は頼んだ…」
つづく
光がひよこさんを包んでいく…。
そして…
ひよこさんの服がはじけ飛ぶように、引き裂かれていく。
同時にひよこさんの手足を始め、身体全体がすらりと伸びていく。
さらに、胸が、胸が、巨乳になっていく〜!!
そのうえ、お尻の丸みも増したような…。
つまりである、光につつまれて、まだシルエットしかわからないが、
いあゆる、俗に言う、つまりだ、その…、認めたくないが、
すばらしいプロポーション、ナイスバディと化したのだ!
そして、光が弱くなっていき、その姿が現れる。
だが、出るとこは出て、引っ込む所は引っ込んで、ナイスバディになっただけじゃない。
まるで、そう神々しい雰囲気を纏い、その姿を直視するのは罪のように感じられた。
そんな、ばかな!相手はひよこさんだぞ!
貧乳のお子ちゃま体型のひよこさんなんだぞ!
何度も自分に言い聞かせても、目の前にある美しい肢体を直視することはできなかった。
もちろん顔も大人っぽくなり、すべてが美しいとしか言いようがなかった。
そのひよこさんが、ようやく口を開く。
「…永かった…。我が眠ってる間にすっかり変わってしまったようだな。」
その声すらも美しく、精神の弱いものならそれだけで虜になるかもしれない。
やっと、皆の様子を確認する余裕ができ、見渡してみると…、
全員がなんとも表現しがたい、狐に包まれたような表情をしている。
うんうん、気持ちはわかるぞ!
そして、ひよこさんが俺のほうを見る。
「そなた…。もしやノア、ノアなのか?…いや、違う、遠い異世界のノアの子…か」
一瞬、高揚したような感じになったが、それはすぐ落胆の声に変わった。
そして、俺がようやく声を出す。
「お前は誰だ?ひよこさんをどうした?」
そう、目の前のひよこさんの変身体からは、ひよこさんを感じないのだ。
そして、それは残酷な答えとなって返ってきた。
「我か?…そうだな…我は、そなたたちが神と呼ぶ存在…とでも言おうか。
ふむ、そういえば、そなたたちに存在を知らせるには、…そう名前なるものが必要だったな。
では、我はたった今より、この世界を支配するもの、クイーン、そうクイーン・ノアと呼ぶがよい。
それから、そのひよこさんとかいう、この器には、その者はもういない。我が…」
ここまで言うと、見る者を凍らせそうな笑顔を見せて
「殺した…」
「うわぁぁぁぁぁあああ!!」
叫びながら、剣を振りかざし、ひよこさんに突っ込むセシリーさん。しかし…
ひよこさんに近づく前に弾き飛ばされる。
「…ふん。人間ごときが我を襲うなど、笑止!」
だが、その表情には少し苦悶の感情が表れる。
「くっ…。この器は、半分であったか…」
そう言うやいなや、身体中が再び輝きだし、ひよこさんが宙に浮いてそのまま船の外へと
飛び出していった。
あっけにとられる俺たち…。
「…残念だが、箱の中にはもう何もないね」
こんな事態の中ROADSTERが能天気にしゃべる。
だが、その一言で全員が我に返る。
「いかん!みんな、ひよこさんを追うぞ!!」
そうだよ、あの状態のひよこさんが外にでたら、いったいどうなるか?
それに、俺を見てノアと言った、その意味は?
さらに、本当にひよこさんは殺されたのか?
知りたいことは山のようにある。
だから、今はひよこさんを追って俺たちは箱舟の外へと出た。
アルベルトの亡骸を船に残して…。
船の外には俺たちのブルーアドベンチャー号が傍で停泊しているはずだった。
俺たち(アイリーンとROADSTERも)はブルーアドベンチャーに乗り込むと、
そこで見たものは、まさに地獄絵図だった…。
おそらく精神が弱かったであろう者たちは、クイーンの僕のごとくひれ伏して命令を待っていた。
そして、クイーンに惑わされなかったであろう者たちは…全員惨殺されていた。
「ばかな…」
俺はこの光景を信じたくなかった…。
昨日まで、俺やひよこさんとわいわいしゃべって、何度も生死を共にし、
仲間の死にいっしょに泣いてきた船員たちが、ほんの、ほんの一瞬で全滅したのだ。
「なぜだ〜〜〜!!なんで、ひよこさんがこんなことができるんだ〜〜〜!!」
俺は叫んでいた。
悲しいとか、悔しいとか、恨みとか、そんな言葉では表現できない、
自分の魂の底の底からの叫びだった。そして、再び叫ぶ。
「生き残ったものは全員退船しろっ!今すぐだ!!」
「コーキ!、俺たちは残るっすよ!」
ヤクモの返答に俺は、
「だめだ!全員、今すぐ退船しろっ!これ以上の犠牲は出せん!これは命令だ!」
そして、みんながしぶしぶ船を降りる中、俺はヤクモに向かって小さく呟く。
「ヤクモ、後は頼んだ…」
つづく
あけましておめでとうございます
おくらばせながら、新年のごあいさつでございます<(_ _)>
昨年はコメも返せず、小説もダラダラになって本当にすいません。
で、今年の目標は…
年内中に最終回手前まで書き上げる!
で、ございます<(_ _)>
(ΦωΦ)ふふふ・・・・
そう、この小説はまだまだ終わりません!
もうしばらくお付き合いくださいませ<(_ _)>
本年もよろしくお願いいたします<(_ _)>
昨年はコメも返せず、小説もダラダラになって本当にすいません。
で、今年の目標は…
年内中に最終回手前まで書き上げる!
で、ございます<(_ _)>
(ΦωΦ)ふふふ・・・・
そう、この小説はまだまだ終わりません!
もうしばらくお付き合いくださいませ<(_ _)>
本年もよろしくお願いいたします<(_ _)>
第30話 華麗に参上?ROADSTER
くそっ、アルベルトのやつに手も足もでやしない。
奴は、まさに鬼神のごとき強さを誇っていた。
俺やヤクモはもちろん、アイリーン、セシリーさん、ジェニーローズすらも
うかつには手を出せない状況になってきた。
シャルロットやひよこさんは当然戦えるはずもなく、奴は1歩、また1歩と箱に近づいていく。
「それ以上は!」
「行かせないよっ!」
再びセシリーさんとジェニーの連携攻撃がアルベルトを襲う。
まずはセシリーさんが突っ込み剣を下から上へと振りまわす。
セシリーさんが一番得意とする一撃ではあったが、間一髪ブレーキをかけてアルベルトが避ける。
だが、その動きが止まったところを見計らってジェニーさんの槍がするどく突く。
避けられないと悟ったアルベルトは左腕にわざと突かせて、動きが止まったところで、ジェニーさんへラブリュスを振り回す。
今度がジェニーさんが大きく後退をする番だった。
左腕に槍が刺さったものの、分厚い筋肉に阻まれ大したダメージにはなっていないようだ。
「ふははははっ!宝は、兵器は俺の物だ!」
叫ぶように箱に近づくアルベルト。
今度は俺、ヤクモ、アイリーンが同時に突っ込むがラブリュスの一振りで一蹴されてしまう。
俺たちは闘いに集中しすぎて、新たな侵入者に気が付いていなかった。
そして、セシリーさんとジェニーさんの何度目かの連携攻撃がはずれた時…
セシリーさんが、バランスをくずし転んで倒れてしまう。
そこに容赦なくアルベルトの一撃が振り落とされたときだった。
ガッキーーーーン!!!
ひときわ大きい金属音とともに、ラブリュスをロングソードで受け止める人影があった。
「いけませんねぇ…。レディを襲うなんて、男の風上にもおけませんよ」
なんて、キザなセリフと共に眼鏡をかけた伊達男が現れる。
「誰だ?お前!」
これは俺のセリフだ。
アルベルトだけでもうっとおしいのに、これ以上新キャラが現れるのはややこしい!
だが、そいつは涼しげな顔で答える。
「私ですか?ふふっ、我が名はROADSTER!華麗なる義賊です」
つまり宝狙いの盗賊か!
そんな俺たちの無言の突っ込みをよそにアルベルトと一騎打ちの様相になってくる。
正直、俺たちは最早一歩も動くことすらできないくらい疲弊しきっていた。
何度もロングソードとラブリュスがぶつかり合う。
あのアルベルトを相手に一歩も引かず、それどころか余裕があるようにも見える。
「ふん、少しはやるようだな…」
おお、あのアルベルトが警戒してる?
もっとも、どっちが勝とうとも、俺たちにはやっかいな存在なんだが。
ラブリュスの猛攻を涼しげな顔で受ける伊達男に俺は恐怖を感じ始めていた。
「クラーケンや大タコ相手の冒険に比べれば、あなたの相手なんて楽なものですよ」
なんて軽口を叩きながらROADSTERは、アルベルトを徐々に追い詰めていく。
そして、ついにアルベルトの胸元へロングソードの一撃を浴びせた。
その勢いで転がっていくアルベルト。だが、その方向は…
しまった!箱の方へ転がっていきやがる!どうやらアルベルトは計算して一撃を受けたようだ。
転がりながら箱に近づき、もう少しで手の届く距離にアルベルトはいた。
「だめぇぇぇ!」
あわてて、ひよこさんが箱のほうへと走り出す。
「させませんよ!」
同時にROADSTERもアルベルトに向けてロングソードを投げつける。だが…
アルベルトのほうが一瞬早かった。
ロングソードをかわし、ひよこさんより早く、奴は箱にたどり着いてしまったのだ。
俺を始め、その場にいた全員に戦慄が走る。
奴は箱をしっかりと握り締め開けようと試みる。しかし…
「くそっ、鍵か!」
このアルベルトの悪態を聞いた俺たちは最後のチャンスと全員で襲い掛かる。
俺もヤクモもアイリーンもセシリーさんもジェニーローズも…
さらにシャルロットやひよこさんも突っ込んでいく。
ロングソードを拾ったROADSTERもそのまま剣を突き立てる。
そして、アルベルトがラブリュスで鍵を叩き壊そうとする。
結果…
俺たちはアルベルトにそれぞれの武器突き立てていた。
いくら、奴が強靭な肉体を持っていようとも、生きているはずがない。
だが、奴は最後の力を振り絞り、無理やり箱をこじ開けたのだ。
その瞬間…
俺たちはまばゆい光に包まれる。そして…
ごくろうであった…
我はここに甦り…
さあ、我が器よ…
我とひとつに…
俺の頭の中にこんな感じの声が響く。
いや、たぶん俺だけじゃない、ここにいた全員に聞こえたであろう。
箱の中にあったもの…それは光る球体だった。
そして、それは意思を持っていたのだ。
その球体が、まさに目にも留まらぬ速さでひよこさんの地図にぶつかっていった。
まるで、互いが互いを呼び合うように…。
そして、そのままひよこさんの身体が光に包まれていく。
その後、俺たちは信じられない光景を目にするのだった。
つづく
奴は、まさに鬼神のごとき強さを誇っていた。
俺やヤクモはもちろん、アイリーン、セシリーさん、ジェニーローズすらも
うかつには手を出せない状況になってきた。
シャルロットやひよこさんは当然戦えるはずもなく、奴は1歩、また1歩と箱に近づいていく。
「それ以上は!」
「行かせないよっ!」
再びセシリーさんとジェニーの連携攻撃がアルベルトを襲う。
まずはセシリーさんが突っ込み剣を下から上へと振りまわす。
セシリーさんが一番得意とする一撃ではあったが、間一髪ブレーキをかけてアルベルトが避ける。
だが、その動きが止まったところを見計らってジェニーさんの槍がするどく突く。
避けられないと悟ったアルベルトは左腕にわざと突かせて、動きが止まったところで、ジェニーさんへラブリュスを振り回す。
今度がジェニーさんが大きく後退をする番だった。
左腕に槍が刺さったものの、分厚い筋肉に阻まれ大したダメージにはなっていないようだ。
「ふははははっ!宝は、兵器は俺の物だ!」
叫ぶように箱に近づくアルベルト。
今度は俺、ヤクモ、アイリーンが同時に突っ込むがラブリュスの一振りで一蹴されてしまう。
俺たちは闘いに集中しすぎて、新たな侵入者に気が付いていなかった。
そして、セシリーさんとジェニーさんの何度目かの連携攻撃がはずれた時…
セシリーさんが、バランスをくずし転んで倒れてしまう。
そこに容赦なくアルベルトの一撃が振り落とされたときだった。
ガッキーーーーン!!!
ひときわ大きい金属音とともに、ラブリュスをロングソードで受け止める人影があった。
「いけませんねぇ…。レディを襲うなんて、男の風上にもおけませんよ」
なんて、キザなセリフと共に眼鏡をかけた伊達男が現れる。
「誰だ?お前!」
これは俺のセリフだ。
アルベルトだけでもうっとおしいのに、これ以上新キャラが現れるのはややこしい!
だが、そいつは涼しげな顔で答える。
「私ですか?ふふっ、我が名はROADSTER!華麗なる義賊です」
つまり宝狙いの盗賊か!
そんな俺たちの無言の突っ込みをよそにアルベルトと一騎打ちの様相になってくる。
正直、俺たちは最早一歩も動くことすらできないくらい疲弊しきっていた。
何度もロングソードとラブリュスがぶつかり合う。
あのアルベルトを相手に一歩も引かず、それどころか余裕があるようにも見える。
「ふん、少しはやるようだな…」
おお、あのアルベルトが警戒してる?
もっとも、どっちが勝とうとも、俺たちにはやっかいな存在なんだが。
ラブリュスの猛攻を涼しげな顔で受ける伊達男に俺は恐怖を感じ始めていた。
「クラーケンや大タコ相手の冒険に比べれば、あなたの相手なんて楽なものですよ」
なんて軽口を叩きながらROADSTERは、アルベルトを徐々に追い詰めていく。
そして、ついにアルベルトの胸元へロングソードの一撃を浴びせた。
その勢いで転がっていくアルベルト。だが、その方向は…
しまった!箱の方へ転がっていきやがる!どうやらアルベルトは計算して一撃を受けたようだ。
転がりながら箱に近づき、もう少しで手の届く距離にアルベルトはいた。
「だめぇぇぇ!」
あわてて、ひよこさんが箱のほうへと走り出す。
「させませんよ!」
同時にROADSTERもアルベルトに向けてロングソードを投げつける。だが…
アルベルトのほうが一瞬早かった。
ロングソードをかわし、ひよこさんより早く、奴は箱にたどり着いてしまったのだ。
俺を始め、その場にいた全員に戦慄が走る。
奴は箱をしっかりと握り締め開けようと試みる。しかし…
「くそっ、鍵か!」
このアルベルトの悪態を聞いた俺たちは最後のチャンスと全員で襲い掛かる。
俺もヤクモもアイリーンもセシリーさんもジェニーローズも…
さらにシャルロットやひよこさんも突っ込んでいく。
ロングソードを拾ったROADSTERもそのまま剣を突き立てる。
そして、アルベルトがラブリュスで鍵を叩き壊そうとする。
結果…
俺たちはアルベルトにそれぞれの武器突き立てていた。
いくら、奴が強靭な肉体を持っていようとも、生きているはずがない。
だが、奴は最後の力を振り絞り、無理やり箱をこじ開けたのだ。
その瞬間…
俺たちはまばゆい光に包まれる。そして…
ごくろうであった…
我はここに甦り…
さあ、我が器よ…
我とひとつに…
俺の頭の中にこんな感じの声が響く。
いや、たぶん俺だけじゃない、ここにいた全員に聞こえたであろう。
箱の中にあったもの…それは光る球体だった。
そして、それは意思を持っていたのだ。
その球体が、まさに目にも留まらぬ速さでひよこさんの地図にぶつかっていった。
まるで、互いが互いを呼び合うように…。
そして、そのままひよこさんの身体が光に包まれていく。
その後、俺たちは信じられない光景を目にするのだった。
つづく
第29話 裏切り
さて、無事に沈没船を引き上げた俺たちは、今カリカットに向かっている。
カリカットはポルトガルの勢力下のため、本音はごめんこうむりたいのだが、
まず沈没船の船体がセイロンまで持つかあやしいのと、アイリーンが
「あたしに使ってるドッグなら、わけありな船も大丈夫!!」
などと、胸を張って言うものだから、それを信じることにしたわけ。
しかし、行きと違って気味が悪いくらい海が静かだ…。
こういうのを嵐の前の静けさっていうのか?いや、まさかな…。
何度も切れそうになるロープを張りなおし、ようやくカリカットに到着する。
なるほど、メインドックではなく、少しはずれた目立たないドッグに入るのか。
おまけに港の管理官のチェックもかなりいいかげんらしく、ちらっと船を見ただけで終わった。
ドッグに着いた俺たちは沈没船をしっかりと固定して内部に入る準備を始める。
しかし、見れば見るほど船というより箱だな…。
とりあえず船体上部に中に入る入り口らしきものを発見。
だが、あまり多人数で入るのもどうかと思い、メンバーを厳選することにした。
まずは、俺。で、ヤクモ、ひよこさん、シャルロット、セシリーさん、ジェニーローズ、さらに
アイリーンさんと、その部下6名って感じの構成か。
まずは入り口らしきところの板を破壊する。この辺からして普通の船じゃないな。
で、落ちるように船体に入っていく。もちろん脱出用のロープは用意してあるがな。
中に入ると意外と広いっぽい、が暗いので明かりをつける。
「なんじゃ、こりゃあ〜〜〜〜〜っ!!」
おもわず俺は素っ頓狂な声をあげる。
船の中はな〜んにもないのだ。そして、いやというほどだだっぴろい。まるで数十人の大人が寝転んでも、普通にくつろげるだろう広さだ。そして、宝箱がひとつだけあった。
まるで簡易な祭壇のようなところの上にやや小ぶりの箱が置いてある。
どうやら、これが俺たちのさがしていた宝、つまり俺とセシリーさんが破壊すべき物ってことだ…。
「あれね…」
ひよこさんがフラフラと箱に近づいていく。そして、そのひよこさんの胸の地図が、まるで
共鳴するように光り始めている。
「ひよこさん、ちか…」
俺がそう言いかけた時、
「近づかないで!!!」
アイリーンが剣を抜きながら叫んでいた。
と、同時にアイリーンの部下たちも剣を抜いて俺たちを囲む。
「悪く思わないでね…。大悪党のコーキさん」
アイリーンが冷たい視線で俺に話しかける。
「言ってなかった?あたしはポルトガルなのよ」
…やられた。そういえば聞いてなかったなアイリーンの国籍を。
「ふふ、これで宝は本来の持ち主、つまりポルトガルに戻るってわけね」
「…アイリーン、最初から俺たちをだましていたのか?」
俺が思わず問いかけた瞬間、アイリーンが少し悲しそうな顔をする。
「…ばか言わないで…。最初は知らなかったよ。でも、船に届いていた手配書の中に
あったんだよ…あんたの名前が…。初めは信じられなかった…。」
アイリーンが少し声をつまらせる。
「今でも、あんたが大悪党とは思ってないよ。でも、ポルトガルに敵対する以上は…。
このまま宝だけ返してくれれば、命はとらない。だから、このまま大人しくしてくれ」
そして、アイリーンが箱に向けて歩こうとしたとき、足元にナイフが刺さる。
そして、新たな人影が船内に入ってきた。
「ごくろうだったな、アイリーン。だが、その宝はポルトガルの物ではない。
…俺のものだ…」
そう言って現れたのは…断頭のアルベルトだった。
「あんた、ポルトガルを裏切るの?」
「ふん、国家が、ポルトガルが俺に何をしてくれた?それに、その宝の中身を知らんのか?神が創った兵器なら、それにふさわしい人間が持つべきだろう?」
この、アルベルトの言葉には俺とセシリーさんを除いた全員に衝撃が走った。
「コ、コーキ、あんた知ってたんすか?宝が兵器だってことを…。知ってたんすか?」
俺はヤクモの問いに答えなかった。そして、答えなかったことで伝わった…。
「コーキ、あんた、あんた、そんなに兵器が欲しかったんすか?ロマンや夢のために
冒険してたんじゃないんすか?」
「ヤクモ!」
俺は声を荒げてヤクモをだまらせる。
「俺の目的は…その宝を破壊して、ひよこさんを地図の呪いから開放することだ!
だまっていたのは謝る。だが、言えるか?宝を夢見てるお前たちに…。…言えるわけないだろ…」
俺が搾り出すような声で告白を終えたとき、
「そんなことは俺には関係ないな!」
そう言いながらアイリーンの部下3人の首をアルベルトは刎ねていた…。
「てんめぇぇえええ!コーキ、一時休戦だ!まずはこの外道を倒す!」
アイリーンが怒りに満ちた声で叫ぶ。そして全員が戦闘体制に入った。
アルベルト、てめえは絶対に許せねぇ!
アイリーンの残りの部下たちが仲間の仇と飛び掛る。
しかし、アルベルトのラブリュスが一閃すると部下たちの身体が真っ二つになっていく。
その血煙の向こうでアルベルトが笑っていやがる。それにもひるまずセシリーさんとジェニーローズが同時に襲い掛かる、しかし二人の剣と槍の同時攻撃を紙一重で避ける。
そして一目散に俺に向かってきた。
「ははは、以前の借りを返すぞ!お前にはマリアルメルのような甘いことはせん!確実に殺す!」
そう言いながら振り回したラブリュスが偶然、俺のデュランダルに当たり間一髪で斬られずにすんだ。
が、船の側壁まで吹っ飛ばされる。痛む身体に耐えながら、俺はアルベルトに問いかえる。
「て、てめぇ…マリアルメルを…どうした?」
「知りたいか?船を沈めて捕らえたさ。同国のよしみでリスボン送りで勘弁したがな」
「そんな!メルルン…」
ひよこさんが悲壮な声を上げる。
つまり、リスボンに到着したら裁判が待ってるってことか?馬鹿野郎が、俺たちをかばうから…。
「なら、ますます急いで、てめぇ倒してリスボンに救出にむかわねえとな…」
俺はまともに動かない身体で剣を構えなおす。
「絶対にっ!許さねぇ〜〜すっ!!」
「あんたって人は〜〜〜〜〜〜っ!!」
今度はアイリーンとヤクモが同時攻撃をしかける。
だが、アイリーンの剣はラブリュスで受け止め、ヤクモの剣をかわしてカウンターブローを食らわす。
そして、そのままヤクモが転げまわる。
俺たち7人はアルベルト1人に何もできずに翻弄されていたのである。
だが、そんな中誰も気づかなかった。小さな箱が発光を始めていたことを…。
それは、ひよこさんの地図と共鳴していることを…。
つづく
カリカットはポルトガルの勢力下のため、本音はごめんこうむりたいのだが、
まず沈没船の船体がセイロンまで持つかあやしいのと、アイリーンが
「あたしに使ってるドッグなら、わけありな船も大丈夫!!」
などと、胸を張って言うものだから、それを信じることにしたわけ。
しかし、行きと違って気味が悪いくらい海が静かだ…。
こういうのを嵐の前の静けさっていうのか?いや、まさかな…。
何度も切れそうになるロープを張りなおし、ようやくカリカットに到着する。
なるほど、メインドックではなく、少しはずれた目立たないドッグに入るのか。
おまけに港の管理官のチェックもかなりいいかげんらしく、ちらっと船を見ただけで終わった。
ドッグに着いた俺たちは沈没船をしっかりと固定して内部に入る準備を始める。
しかし、見れば見るほど船というより箱だな…。
とりあえず船体上部に中に入る入り口らしきものを発見。
だが、あまり多人数で入るのもどうかと思い、メンバーを厳選することにした。
まずは、俺。で、ヤクモ、ひよこさん、シャルロット、セシリーさん、ジェニーローズ、さらに
アイリーンさんと、その部下6名って感じの構成か。
まずは入り口らしきところの板を破壊する。この辺からして普通の船じゃないな。
で、落ちるように船体に入っていく。もちろん脱出用のロープは用意してあるがな。
中に入ると意外と広いっぽい、が暗いので明かりをつける。
「なんじゃ、こりゃあ〜〜〜〜〜っ!!」
おもわず俺は素っ頓狂な声をあげる。
船の中はな〜んにもないのだ。そして、いやというほどだだっぴろい。まるで数十人の大人が寝転んでも、普通にくつろげるだろう広さだ。そして、宝箱がひとつだけあった。
まるで簡易な祭壇のようなところの上にやや小ぶりの箱が置いてある。
どうやら、これが俺たちのさがしていた宝、つまり俺とセシリーさんが破壊すべき物ってことだ…。
「あれね…」
ひよこさんがフラフラと箱に近づいていく。そして、そのひよこさんの胸の地図が、まるで
共鳴するように光り始めている。
「ひよこさん、ちか…」
俺がそう言いかけた時、
「近づかないで!!!」
アイリーンが剣を抜きながら叫んでいた。
と、同時にアイリーンの部下たちも剣を抜いて俺たちを囲む。
「悪く思わないでね…。大悪党のコーキさん」
アイリーンが冷たい視線で俺に話しかける。
「言ってなかった?あたしはポルトガルなのよ」
…やられた。そういえば聞いてなかったなアイリーンの国籍を。
「ふふ、これで宝は本来の持ち主、つまりポルトガルに戻るってわけね」
「…アイリーン、最初から俺たちをだましていたのか?」
俺が思わず問いかけた瞬間、アイリーンが少し悲しそうな顔をする。
「…ばか言わないで…。最初は知らなかったよ。でも、船に届いていた手配書の中に
あったんだよ…あんたの名前が…。初めは信じられなかった…。」
アイリーンが少し声をつまらせる。
「今でも、あんたが大悪党とは思ってないよ。でも、ポルトガルに敵対する以上は…。
このまま宝だけ返してくれれば、命はとらない。だから、このまま大人しくしてくれ」
そして、アイリーンが箱に向けて歩こうとしたとき、足元にナイフが刺さる。
そして、新たな人影が船内に入ってきた。
「ごくろうだったな、アイリーン。だが、その宝はポルトガルの物ではない。
…俺のものだ…」
そう言って現れたのは…断頭のアルベルトだった。
「あんた、ポルトガルを裏切るの?」
「ふん、国家が、ポルトガルが俺に何をしてくれた?それに、その宝の中身を知らんのか?神が創った兵器なら、それにふさわしい人間が持つべきだろう?」
この、アルベルトの言葉には俺とセシリーさんを除いた全員に衝撃が走った。
「コ、コーキ、あんた知ってたんすか?宝が兵器だってことを…。知ってたんすか?」
俺はヤクモの問いに答えなかった。そして、答えなかったことで伝わった…。
「コーキ、あんた、あんた、そんなに兵器が欲しかったんすか?ロマンや夢のために
冒険してたんじゃないんすか?」
「ヤクモ!」
俺は声を荒げてヤクモをだまらせる。
「俺の目的は…その宝を破壊して、ひよこさんを地図の呪いから開放することだ!
だまっていたのは謝る。だが、言えるか?宝を夢見てるお前たちに…。…言えるわけないだろ…」
俺が搾り出すような声で告白を終えたとき、
「そんなことは俺には関係ないな!」
そう言いながらアイリーンの部下3人の首をアルベルトは刎ねていた…。
「てんめぇぇえええ!コーキ、一時休戦だ!まずはこの外道を倒す!」
アイリーンが怒りに満ちた声で叫ぶ。そして全員が戦闘体制に入った。
アルベルト、てめえは絶対に許せねぇ!
アイリーンの残りの部下たちが仲間の仇と飛び掛る。
しかし、アルベルトのラブリュスが一閃すると部下たちの身体が真っ二つになっていく。
その血煙の向こうでアルベルトが笑っていやがる。それにもひるまずセシリーさんとジェニーローズが同時に襲い掛かる、しかし二人の剣と槍の同時攻撃を紙一重で避ける。
そして一目散に俺に向かってきた。
「ははは、以前の借りを返すぞ!お前にはマリアルメルのような甘いことはせん!確実に殺す!」
そう言いながら振り回したラブリュスが偶然、俺のデュランダルに当たり間一髪で斬られずにすんだ。
が、船の側壁まで吹っ飛ばされる。痛む身体に耐えながら、俺はアルベルトに問いかえる。
「て、てめぇ…マリアルメルを…どうした?」
「知りたいか?船を沈めて捕らえたさ。同国のよしみでリスボン送りで勘弁したがな」
「そんな!メルルン…」
ひよこさんが悲壮な声を上げる。
つまり、リスボンに到着したら裁判が待ってるってことか?馬鹿野郎が、俺たちをかばうから…。
「なら、ますます急いで、てめぇ倒してリスボンに救出にむかわねえとな…」
俺はまともに動かない身体で剣を構えなおす。
「絶対にっ!許さねぇ〜〜すっ!!」
「あんたって人は〜〜〜〜〜〜っ!!」
今度はアイリーンとヤクモが同時攻撃をしかける。
だが、アイリーンの剣はラブリュスで受け止め、ヤクモの剣をかわしてカウンターブローを食らわす。
そして、そのままヤクモが転げまわる。
俺たち7人はアルベルト1人に何もできずに翻弄されていたのである。
だが、そんな中誰も気づかなかった。小さな箱が発光を始めていたことを…。
それは、ひよこさんの地図と共鳴していることを…。
つづく



