小説 大航海時代オンライン サルベージャー
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第12話 女の決闘!?ジェニーローズvsセシリー
「あ〜!ひよこさん、おひさしぶり〜!って、コーキさんやヤクモさん、ジェニーローズさんも見えるんですね。みなさん、おひさしぶりです。」
そう言って深々と頭を下げるセシリーさん。く〜、あいかわらずかわいいなぁ。
「セシリー、あなたまでここに来たの?」
ひよこさんが嬉しさ半分、困惑半分で問いかける。
おそらくセシリーさんとは仲いいから帰らないとは言いづらいのかも。
「そうよ。ひよこさんを迎えに来たの。」
屈託のない笑顔で答えるセシリー。
しかし困ったのはひよこさんだ。E.C.ロンメルやフェニックス相手なら、はっきりと帰らないと答えれるもののセシリーさん相手では傷つけることを考えてしまい返事に詰まるようだ。
「ふん。どうする?セシリーも迎えに来てるんだぞ!」
ここぞとばかりにロンメルが問い詰めるが、おかげでひよこさんは返事を見つけたようだ。
「やっぱり、いやよ!セシリーだけなら帰る気にもなるけどあんた達がいっしょじゃ、やっぱり帰りたくないわね。」
よし、今がチャンスだ。ここで、俺がひよこさんを渡さないと言えば俺のせいにしてセシリーさんを傷つけることなく、ひよこさんをこっちにのこせられるかも……。
よし、言うぞ。せーの……
「セシリーさんには悪いっすが、ひよこさんは渡せないっす!」
こう断言したのは俺じゃないヤクモだ。また、いいとこをとられた……。
「ひよこさんはもう俺たちの大事なクルーっす。申し訳ないっすが渡せないっすよ!」
「その通りだな。やっぱり、あんた達には渡せないよ。」
よし、これで俺もかっこはついたか。さて、どうでる?
「なるほど。それがお前達の総意か?ならば、こちらも提案がある。」
提案?なんかいやな悪寒がする……。
「どうだ?ひよこを賭けて互いの代表が一騎打ちをするってのは?お前達が勝てば、ひよこを連れて行け。俺たちが勝てばひよこは強制的にロンドン送りだ。」
一騎打ちか……、ここは本来なら俺が応じるべきなんだが、あの筋肉ガッツを抜きにしても俺では勝てるかどうか。なら、ここはヤクモにまかせるか?
「……ヤクモ。」
「わかってるっすよ、コーキ。まあ、あの筋肉ガッツさえ気をつければ大丈夫っすから。まかせるっす。」
さすが、相棒。俺の考えをわかってくれるか。ところが……、
「ひとつ言っておくが、こっちの代表はセシリー殿だ。」
「ほぇ?」
ロンメルの一言は俺たちはもちろん、当のセシリーさん本人もびっくりしていた。
「なんで閣下じゃないの?えっ、えっ、あたしでいいの?」
「ああ。俺やフェニックスでは手加減できんのでな。あいつらの誰であれ殺すのはまちがいないんでな。」
くぅ〜なめやがって!しかし、相手がセシリーさんではヤクモじゃ分が悪い。女性相手、しかもセシリーさんを相手に俺もヤクモも本気では闘えない。といって、セシリーさんの実力は俺たちよりもおそらく……上だ。
「コーキ!ここはあたしの出番でしょう!」
そう言って腕をグルグルまわしながらジェニーローズが前にでてくる。
「一度手合わせしてみたかったの。あのイングランドの戦姫と、ね。」
ジェニーさんの表情は真剣だ。
本気でセシリーさんと闘いたいらしい。
対するセシリーさんも、普段のおっとりした感じから臨戦態勢に入った雰囲気に変わっていた。
「ジェニーローズさんなら相手にとって不足はありませんわ。」
セシリーさんもジェニーさんをまっすぐ見据えている。
どうやら二人ともひよこさんを賭けてというより、互いに闘ってみたい願望の方が強いようだ。
ジェニーさんはやはり槍を構えている。
セシリーさんは今回剣を使うようだ。あれはデュランダル?
二人は一定の距離をとって互いに構える。
殺気というよりは闘気と呼ぶべきなオーラが二人からでている。
気が付けば俺は息を呑んでいた。
ジェニーさんが静かに口を開く。
「いくわね。」
セシリーさんも一言で返す。
「どうぞ。」
このやりとりを合図に二人が同時に突進をする。
二人が交錯する瞬間、
キィィィィィィィーーーンンン!!
甲高いような金属音が鳴り響き、そのまま二人は互いの位置が入れ替わる。
そして互いに向き合い笑みをみせる。
今度は先にジェニーさんが槍を突こうと突進する。
それをセシリーさんは身体をひねって紙一重でよけカウンターで剣を切り込んでいく。
それをジェニーさんも身体をひねって避けて、再び距離をとる。
はっきり言って見てるこっちがハラハラするような闘いだ。
頼むから顔とかに傷をつけるなよ……。
景品(?)のひよこさんもさすがに表情が硬い。
そりゃそうだわな。ジェニーさんは短い時間ながら苦楽を共に旅してきた仲間。
セシリーさんは昔から知ってる友達。
どっちにも傷ついてほしくないよな。
だが、二人の激闘はまだまだ終わりそうにはなかった。
つづく
そう言って深々と頭を下げるセシリーさん。く〜、あいかわらずかわいいなぁ。
「セシリー、あなたまでここに来たの?」
ひよこさんが嬉しさ半分、困惑半分で問いかける。
おそらくセシリーさんとは仲いいから帰らないとは言いづらいのかも。
「そうよ。ひよこさんを迎えに来たの。」
屈託のない笑顔で答えるセシリー。
しかし困ったのはひよこさんだ。E.C.ロンメルやフェニックス相手なら、はっきりと帰らないと答えれるもののセシリーさん相手では傷つけることを考えてしまい返事に詰まるようだ。
「ふん。どうする?セシリーも迎えに来てるんだぞ!」
ここぞとばかりにロンメルが問い詰めるが、おかげでひよこさんは返事を見つけたようだ。
「やっぱり、いやよ!セシリーだけなら帰る気にもなるけどあんた達がいっしょじゃ、やっぱり帰りたくないわね。」
よし、今がチャンスだ。ここで、俺がひよこさんを渡さないと言えば俺のせいにしてセシリーさんを傷つけることなく、ひよこさんをこっちにのこせられるかも……。
よし、言うぞ。せーの……
「セシリーさんには悪いっすが、ひよこさんは渡せないっす!」
こう断言したのは俺じゃないヤクモだ。また、いいとこをとられた……。
「ひよこさんはもう俺たちの大事なクルーっす。申し訳ないっすが渡せないっすよ!」
「その通りだな。やっぱり、あんた達には渡せないよ。」
よし、これで俺もかっこはついたか。さて、どうでる?
「なるほど。それがお前達の総意か?ならば、こちらも提案がある。」
提案?なんかいやな悪寒がする……。
「どうだ?ひよこを賭けて互いの代表が一騎打ちをするってのは?お前達が勝てば、ひよこを連れて行け。俺たちが勝てばひよこは強制的にロンドン送りだ。」
一騎打ちか……、ここは本来なら俺が応じるべきなんだが、あの筋肉ガッツを抜きにしても俺では勝てるかどうか。なら、ここはヤクモにまかせるか?
「……ヤクモ。」
「わかってるっすよ、コーキ。まあ、あの筋肉ガッツさえ気をつければ大丈夫っすから。まかせるっす。」
さすが、相棒。俺の考えをわかってくれるか。ところが……、
「ひとつ言っておくが、こっちの代表はセシリー殿だ。」
「ほぇ?」
ロンメルの一言は俺たちはもちろん、当のセシリーさん本人もびっくりしていた。
「なんで閣下じゃないの?えっ、えっ、あたしでいいの?」
「ああ。俺やフェニックスでは手加減できんのでな。あいつらの誰であれ殺すのはまちがいないんでな。」
くぅ〜なめやがって!しかし、相手がセシリーさんではヤクモじゃ分が悪い。女性相手、しかもセシリーさんを相手に俺もヤクモも本気では闘えない。といって、セシリーさんの実力は俺たちよりもおそらく……上だ。
「コーキ!ここはあたしの出番でしょう!」
そう言って腕をグルグルまわしながらジェニーローズが前にでてくる。
「一度手合わせしてみたかったの。あのイングランドの戦姫と、ね。」
ジェニーさんの表情は真剣だ。
本気でセシリーさんと闘いたいらしい。
対するセシリーさんも、普段のおっとりした感じから臨戦態勢に入った雰囲気に変わっていた。
「ジェニーローズさんなら相手にとって不足はありませんわ。」
セシリーさんもジェニーさんをまっすぐ見据えている。
どうやら二人ともひよこさんを賭けてというより、互いに闘ってみたい願望の方が強いようだ。
ジェニーさんはやはり槍を構えている。
セシリーさんは今回剣を使うようだ。あれはデュランダル?
二人は一定の距離をとって互いに構える。
殺気というよりは闘気と呼ぶべきなオーラが二人からでている。
気が付けば俺は息を呑んでいた。
ジェニーさんが静かに口を開く。
「いくわね。」
セシリーさんも一言で返す。
「どうぞ。」
このやりとりを合図に二人が同時に突進をする。
二人が交錯する瞬間、
キィィィィィィィーーーンンン!!
甲高いような金属音が鳴り響き、そのまま二人は互いの位置が入れ替わる。
そして互いに向き合い笑みをみせる。
今度は先にジェニーさんが槍を突こうと突進する。
それをセシリーさんは身体をひねって紙一重でよけカウンターで剣を切り込んでいく。
それをジェニーさんも身体をひねって避けて、再び距離をとる。
はっきり言って見てるこっちがハラハラするような闘いだ。
頼むから顔とかに傷をつけるなよ……。
景品(?)のひよこさんもさすがに表情が硬い。
そりゃそうだわな。ジェニーさんは短い時間ながら苦楽を共に旅してきた仲間。
セシリーさんは昔から知ってる友達。
どっちにも傷ついてほしくないよな。
だが、二人の激闘はまだまだ終わりそうにはなかった。
つづく
第11話 筋肉ガッツと眠り剣
E.C.ロンメルが不敵に笑いながらひよこさんに話しかける。
「船長の許可もでたんだ。おとなしく、こっちに来い。」
しかし、ひよこさんは、
「い・や・よ!第一になんで、あんたたちがここにいるのよ?」
そんなひよこさんの質問をさえぎるように、
「わがまま言うんじゃない!ま、これを見たら気も変わるだろうがな。」
E.C.ロンメルはそう言うやいなや着ていた鎧を上半身だけ脱ぐ。
それと同時に顔が青ざめていくひよこさん。
一体何が始まるんだ?
フェニックスがのんきに語る。
「ん〜〜〜〜〜。閣下も好きだねぇ。」
E.C.ロンメルは上半身を裸になった瞬間、その筋肉を誇示するようにガッツポーズを取り始めた。
普通なら、なんてことないじゃんって思うだろう?
だが、彼のガッツポーズはそんな甘いものじゃなかったんだ。
そのガッツポーズを見た俺たちは言いようのない不快感と虚脱感を覚えていた。
なんなんだよ、これは?
そう、E.C.ロンメルのガッツポーズは、まるで恐るべき精神汚染攻撃のようだった。
少しは耐性があるのか、ひよこさんが叫ぶ。
「え〜い!その見苦しいものを隠せ〜〜〜!!!」
いや、見苦しいとかじゃなく、あの負のオーラみたいなのってなんなんだよ〜〜?
「なんだ?これを見たら里心とか湧くんじゃないのか?」
「わくか〜〜!!そんなもん〜〜っ!!
とにかく、あたしはこの地図を完成させてサルベージするまで帰らないわよ!」
ひよこさんの突込みにも眉ひとつ動かさなかった二人が、ひよこさんが地図を出した時に表情が変わったのを俺は見逃さなかった。
やはり、二人の目的もひよこさんと言うよりも地図だったか。
そうとなれば話は違う。こんなヤバくておもしろうそうな物を他人に渡す気はさらさらないぜ。
そう思ってひよこさんを渡さないといいかけた時、
「コーキ!」
ジェニーローズが短いが、はっきりと危険を知らせるかのように俺に声をかける。
なるほど、どこから現れたか知らないが、数十人のポルトガル兵に俺たちは囲まれていた。
そして、その中から大将らしい男が姿を現す。
「くっくっく。俺は運がいいようだな。海で逃がした獲物に陸で会えるとはな。」
げっ、こいつらがカリブの入り口で会ったポルトガル軍だったのか。
ちぃ、こいつらやらないとotardとホリディの苦労が水の泡か。
俺たちは全員、剣を抜いて応戦準備に入る。
もちろんE.C.ロンメルも剣を抜くんだが……、フェニックスは、
「閣下〜、眠いので後よろしく〜〜〜。」
そう言って座り込んで寝ちまった。おいおい、これから斬り合いするんですが、もしも〜し。
そんなこっちの事情なんてお構いなしにポルトガル兵が斬りつけてくる。
俺の目の前をジェニーさんの槍が通り過ぎ、続いて返り血が飛びちる。
俺も躊躇なんてしていられない、敵の中へと斬り込んで行く。
ヤクモはひよこさんをかばいつつ、敵を一刀両断していた。
E.C.ロンメルは、なんとあの筋肉ガッツを一度してから敵を斬りつけている。
げげ、うそだろ、敵もあのガッツを見て意気消沈してるやん。
おそるべき筋肉ガッツ。
だが、敵もバカじゃねぇ。眠ってるフェニックスだけでも斬ろうって魂胆か数人がフェニックスへと向かっていく。
いくらなんでも……と、俺もフェニックス救出のためフェニックスのところへ走っていると、
「コーキィ!!ダメ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
後ろからひよこさんが叫ぶ。
なんで?頭の中で一瞬疑問符が浮かぶが身体は止まらない。
そして、もう少し敵に追いつけるというところで、突然敵の身体の向こう側の景色が見えた。
その光景に俺は凍りつきそうになった。
敵の身体は上半身と下半身に分かれていた。
斬ったのは……眠っているフェニックスだった。
ばかな……パニックになりそうな俺の目の前で次々に眠ってるフェニックスがポルトガル兵を切り倒していった。
「コーキ、危ない!」
そう叫んでヤクモが俺を助けてくれた。あぶねぇ、戦闘中に他に気をとられていちゃ命がいくつあっても足りないよな。
そして騒ぎを聞きつけたシャルロットが水夫を数十人つれて援軍に来てくれて一気に形勢が逆転した。
最後の一人となった敵将は、あっさりとヤクモの刃にその血をつけることとなった。
「やれやれ。しかし、どんどん犯罪者になってるな、俺たち。」
荒い息をしながら、こんな軽口を叩けるのも命があればの事だ。
フェニックスは……まだ眠っていた。全身を返り血に染めながら……。
まったく、喫茶ろんどんの航海者は化け物か!
後からひよこさんに聞いた話では、昔フェニックスは朝昼晩夜中を問わず襲われ続ける日々を送っていた頃があったらしく、そのときの経験で殺意を持って近寄る相手には身体が無意識に反応するそうだ。
そして、いつしか誰かから彼をこう呼ぶようになったそうだ。
眠り剣のフェニックス……と。
そして、再び俺たちとE.C.ロンメル&フェニックスの間に緊張が走った。
そんな時に遠くから走ってくる音がして、それはしだいに近づいてきた。
「あれ、もう戦闘終わっちゃったんですか?」
息を切らしながら、その場に現れたのは、あのセシリーさんだった。
つづく
お・ま・け


「船長の許可もでたんだ。おとなしく、こっちに来い。」
しかし、ひよこさんは、
「い・や・よ!第一になんで、あんたたちがここにいるのよ?」
そんなひよこさんの質問をさえぎるように、
「わがまま言うんじゃない!ま、これを見たら気も変わるだろうがな。」
E.C.ロンメルはそう言うやいなや着ていた鎧を上半身だけ脱ぐ。
それと同時に顔が青ざめていくひよこさん。
一体何が始まるんだ?
フェニックスがのんきに語る。
「ん〜〜〜〜〜。閣下も好きだねぇ。」
E.C.ロンメルは上半身を裸になった瞬間、その筋肉を誇示するようにガッツポーズを取り始めた。
普通なら、なんてことないじゃんって思うだろう?
だが、彼のガッツポーズはそんな甘いものじゃなかったんだ。
そのガッツポーズを見た俺たちは言いようのない不快感と虚脱感を覚えていた。
なんなんだよ、これは?
そう、E.C.ロンメルのガッツポーズは、まるで恐るべき精神汚染攻撃のようだった。
少しは耐性があるのか、ひよこさんが叫ぶ。
「え〜い!その見苦しいものを隠せ〜〜〜!!!」
いや、見苦しいとかじゃなく、あの負のオーラみたいなのってなんなんだよ〜〜?
「なんだ?これを見たら里心とか湧くんじゃないのか?」
「わくか〜〜!!そんなもん〜〜っ!!
とにかく、あたしはこの地図を完成させてサルベージするまで帰らないわよ!」
ひよこさんの突込みにも眉ひとつ動かさなかった二人が、ひよこさんが地図を出した時に表情が変わったのを俺は見逃さなかった。
やはり、二人の目的もひよこさんと言うよりも地図だったか。
そうとなれば話は違う。こんなヤバくておもしろうそうな物を他人に渡す気はさらさらないぜ。
そう思ってひよこさんを渡さないといいかけた時、
「コーキ!」
ジェニーローズが短いが、はっきりと危険を知らせるかのように俺に声をかける。
なるほど、どこから現れたか知らないが、数十人のポルトガル兵に俺たちは囲まれていた。
そして、その中から大将らしい男が姿を現す。
「くっくっく。俺は運がいいようだな。海で逃がした獲物に陸で会えるとはな。」
げっ、こいつらがカリブの入り口で会ったポルトガル軍だったのか。
ちぃ、こいつらやらないとotardとホリディの苦労が水の泡か。
俺たちは全員、剣を抜いて応戦準備に入る。
もちろんE.C.ロンメルも剣を抜くんだが……、フェニックスは、
「閣下〜、眠いので後よろしく〜〜〜。」
そう言って座り込んで寝ちまった。おいおい、これから斬り合いするんですが、もしも〜し。
そんなこっちの事情なんてお構いなしにポルトガル兵が斬りつけてくる。
俺の目の前をジェニーさんの槍が通り過ぎ、続いて返り血が飛びちる。
俺も躊躇なんてしていられない、敵の中へと斬り込んで行く。
ヤクモはひよこさんをかばいつつ、敵を一刀両断していた。
E.C.ロンメルは、なんとあの筋肉ガッツを一度してから敵を斬りつけている。
げげ、うそだろ、敵もあのガッツを見て意気消沈してるやん。
おそるべき筋肉ガッツ。
だが、敵もバカじゃねぇ。眠ってるフェニックスだけでも斬ろうって魂胆か数人がフェニックスへと向かっていく。
いくらなんでも……と、俺もフェニックス救出のためフェニックスのところへ走っていると、
「コーキィ!!ダメ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
後ろからひよこさんが叫ぶ。
なんで?頭の中で一瞬疑問符が浮かぶが身体は止まらない。
そして、もう少し敵に追いつけるというところで、突然敵の身体の向こう側の景色が見えた。
その光景に俺は凍りつきそうになった。
敵の身体は上半身と下半身に分かれていた。
斬ったのは……眠っているフェニックスだった。
ばかな……パニックになりそうな俺の目の前で次々に眠ってるフェニックスがポルトガル兵を切り倒していった。
「コーキ、危ない!」
そう叫んでヤクモが俺を助けてくれた。あぶねぇ、戦闘中に他に気をとられていちゃ命がいくつあっても足りないよな。
そして騒ぎを聞きつけたシャルロットが水夫を数十人つれて援軍に来てくれて一気に形勢が逆転した。
最後の一人となった敵将は、あっさりとヤクモの刃にその血をつけることとなった。
「やれやれ。しかし、どんどん犯罪者になってるな、俺たち。」
荒い息をしながら、こんな軽口を叩けるのも命があればの事だ。
フェニックスは……まだ眠っていた。全身を返り血に染めながら……。
まったく、喫茶ろんどんの航海者は化け物か!
後からひよこさんに聞いた話では、昔フェニックスは朝昼晩夜中を問わず襲われ続ける日々を送っていた頃があったらしく、そのときの経験で殺意を持って近寄る相手には身体が無意識に反応するそうだ。
そして、いつしか誰かから彼をこう呼ぶようになったそうだ。
眠り剣のフェニックス……と。
そして、再び俺たちとE.C.ロンメル&フェニックスの間に緊張が走った。
そんな時に遠くから走ってくる音がして、それはしだいに近づいてきた。
「あれ、もう戦闘終わっちゃったんですか?」
息を切らしながら、その場に現れたのは、あのセシリーさんだった。
つづく
お・ま・け


第10話 一将功成りて万骨枯る
俺はゆっくりと目を開けた。
景色がぼんやりとしていたが、そのうち人影が見えた。
ああ、これがいわゆる天使ってやつなのか?
だが、その輪郭がはっきりしてくるとその顔には髭が蓄えられている。
おいおい、最近の天使は髭面なのか?
そんな事を考えていた次の瞬間……俺は身体中に電気が走るような痛みを感じて飛び起きた。
「やれやれ、やっと目がさめたか?」
俺は痛む胸を押さえながら、声の主の方へ顔を向ける。
ちくしょう、俺を斬った張本人のotardが笑ってやがる。
ん、ちょっと待て。確かに俺はotardに斬られたはず、なんで俺生きてるんだ?
しかもだ、胸のあたりには弾痕もあって血が乾いたような後になってる。
狐に包まれた顔になっている俺にotardが説明をしてくれた。
要はまずotardが俺に峰打ちをして気絶させる。
そして俺の様子をうかがう振りをして俺の胸のあたりに血のり付きの鉄板を仕込む。
そしてホリディがその鉄板のあたりにむけて威力を弱めた特殊銃で打ち込み、俺が死んだという虚偽の報告をリスボンに報告に行ったというわけだ。
なぜ、そんな手の込んだ事をしたかといえば、あの新人二人がポルトガルのお目付け役かも知れないということと、俺が死んだ事にならなければ商会も狙われる可能性があったということだ。
だが驚いたのは、あのホリディが国より俺、つまり商会仲間を選んだことだ。
誰も口にこそしなかったが、彼女の愛国心の異常な高さと忠誠心は商会員全員が知っている。
だからこそ、今回のような事態には俺を殺すことはあっても助ける事はないと思っていた。
otardは言う。
「……彼女もあのカリブでの一件以来、俺たちには素直になりつつあるぜ。まあ、コーキを助ける案にのってくれたのはビックリしたがな。」
そうか、長い間会ってないからな。こりゃ、でかい借りができたな。
「ホリディのやつ言ってたぜ。あの特殊銃にかかった金は後で取り立てるってな。」
……その辺はやっぱりホリディだな、かわってねぇや。
まあ、いいか。俺は仲間に素直に感謝していた。
しかし、そうなると酒場にいるヤクモやひよこさんたちが気になる。
そこでotardをさそって酒場にいったわけだが……。
はぁ、案の定騒ぎになっていたか、トホホ。
なんとか酒場を抜け出し、シャルロットには厳重注意、ヤクモにも監督不行き届きで軽く注意(まあ、これはとばっちりだがな)、そして、見事に酔っ払ってるひよこさんとジェニーローズをみんなで宿屋に運び出し、その晩は俺もみんなも泥のように眠った。
それから数日、なにごともなくいよいよ明日この街をでてグランドケイマンに向かう事となった。
俺は酒場でotardと飲んでいた。
「なあ、otard。あんたさえよければ、いっしょに航海しないか?あのひよこさんが持ってる地図けっこうヤバイ、それでいて冒険心を満たすしろものみたいだぜ。あんたが同行してくれたら、すげぇ心強いんだが、どうだい?」
「ふっ……。まあ、いい話だな。確かにおもしろい。しかし……。」
「しかし?」
「俺はお前よりホリディが気になる。考えてみろ、奴はリスボンに虚偽の報告をしに行くんだ。一番危険な仕事させているんだぜ。俺はホリディをほおっておく事はできない。だから、リスボンに向かうつもりなんだ。悪いな……。」
そうか、そうだったな。俺のせいでホリディを危険にさらしてたんだな。
「そうか、わかった。……ホリディに……よろしく伝えてくれ。それで、せめて今晩はとことん付き合えよ。」
こうして俺たちは深夜まで飲み明かした。
翌日、俺たちは全員港に姿を現す。
「コーキ。お前の事だ、殺しても死なんだろ。ヤクモ、コーキを頼んだぞ。」
おいおい、otard、あんたが俺を殺しかけたんだろ?
こうしてotardに別れを告げ、船に乗り込むはずだったんだが……、それを遮るかのように二人の人影が俺たちの前に現れた。
その姿を見たときに、ふいにひよこさんが素っ頓狂な声をだす。
「なんで〜?なんで、あんたたちがここにいるの?」
俺たちの前に現れたのは二人の男だった。
その名を1人はフェニックス、もう1人はE.C.ロンメル。
俺はまだ気が付いちゃいなかった。
彼らは俺たちにとって歓迎できない人物だという事に。
そうとも知らず、
「ひよこさんの知り合いか?こりゃいい、ひよこさんだけ引き取ってくれ。」
なんて言っちまった。
……だが、事態はそんな簡単じゃなかったのだ。
つづく
景色がぼんやりとしていたが、そのうち人影が見えた。
ああ、これがいわゆる天使ってやつなのか?
だが、その輪郭がはっきりしてくるとその顔には髭が蓄えられている。
おいおい、最近の天使は髭面なのか?
そんな事を考えていた次の瞬間……俺は身体中に電気が走るような痛みを感じて飛び起きた。
「やれやれ、やっと目がさめたか?」
俺は痛む胸を押さえながら、声の主の方へ顔を向ける。
ちくしょう、俺を斬った張本人のotardが笑ってやがる。
ん、ちょっと待て。確かに俺はotardに斬られたはず、なんで俺生きてるんだ?
しかもだ、胸のあたりには弾痕もあって血が乾いたような後になってる。
狐に包まれた顔になっている俺にotardが説明をしてくれた。
要はまずotardが俺に峰打ちをして気絶させる。
そして俺の様子をうかがう振りをして俺の胸のあたりに血のり付きの鉄板を仕込む。
そしてホリディがその鉄板のあたりにむけて威力を弱めた特殊銃で打ち込み、俺が死んだという虚偽の報告をリスボンに報告に行ったというわけだ。
なぜ、そんな手の込んだ事をしたかといえば、あの新人二人がポルトガルのお目付け役かも知れないということと、俺が死んだ事にならなければ商会も狙われる可能性があったということだ。
だが驚いたのは、あのホリディが国より俺、つまり商会仲間を選んだことだ。
誰も口にこそしなかったが、彼女の愛国心の異常な高さと忠誠心は商会員全員が知っている。
だからこそ、今回のような事態には俺を殺すことはあっても助ける事はないと思っていた。
otardは言う。
「……彼女もあのカリブでの一件以来、俺たちには素直になりつつあるぜ。まあ、コーキを助ける案にのってくれたのはビックリしたがな。」
そうか、長い間会ってないからな。こりゃ、でかい借りができたな。
「ホリディのやつ言ってたぜ。あの特殊銃にかかった金は後で取り立てるってな。」
……その辺はやっぱりホリディだな、かわってねぇや。
まあ、いいか。俺は仲間に素直に感謝していた。
しかし、そうなると酒場にいるヤクモやひよこさんたちが気になる。
そこでotardをさそって酒場にいったわけだが……。
はぁ、案の定騒ぎになっていたか、トホホ。
なんとか酒場を抜け出し、シャルロットには厳重注意、ヤクモにも監督不行き届きで軽く注意(まあ、これはとばっちりだがな)、そして、見事に酔っ払ってるひよこさんとジェニーローズをみんなで宿屋に運び出し、その晩は俺もみんなも泥のように眠った。
それから数日、なにごともなくいよいよ明日この街をでてグランドケイマンに向かう事となった。
俺は酒場でotardと飲んでいた。
「なあ、otard。あんたさえよければ、いっしょに航海しないか?あのひよこさんが持ってる地図けっこうヤバイ、それでいて冒険心を満たすしろものみたいだぜ。あんたが同行してくれたら、すげぇ心強いんだが、どうだい?」
「ふっ……。まあ、いい話だな。確かにおもしろい。しかし……。」
「しかし?」
「俺はお前よりホリディが気になる。考えてみろ、奴はリスボンに虚偽の報告をしに行くんだ。一番危険な仕事させているんだぜ。俺はホリディをほおっておく事はできない。だから、リスボンに向かうつもりなんだ。悪いな……。」
そうか、そうだったな。俺のせいでホリディを危険にさらしてたんだな。
「そうか、わかった。……ホリディに……よろしく伝えてくれ。それで、せめて今晩はとことん付き合えよ。」
こうして俺たちは深夜まで飲み明かした。
翌日、俺たちは全員港に姿を現す。
「コーキ。お前の事だ、殺しても死なんだろ。ヤクモ、コーキを頼んだぞ。」
おいおい、otard、あんたが俺を殺しかけたんだろ?
こうしてotardに別れを告げ、船に乗り込むはずだったんだが……、それを遮るかのように二人の人影が俺たちの前に現れた。
その姿を見たときに、ふいにひよこさんが素っ頓狂な声をだす。
「なんで〜?なんで、あんたたちがここにいるの?」
俺たちの前に現れたのは二人の男だった。
その名を1人はフェニックス、もう1人はE.C.ロンメル。
俺はまだ気が付いちゃいなかった。
彼らは俺たちにとって歓迎できない人物だという事に。
そうとも知らず、
「ひよこさんの知り合いか?こりゃいい、ひよこさんだけ引き取ってくれ。」
なんて言っちまった。
……だが、事態はそんな簡単じゃなかったのだ。
つづく
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